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地方旅日記目次
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(株)長岡小嶋屋
(株)フタバ化学
(株)フタバ化学(1)
(株)フタバ化学(2)
(株)フタバ化学(3)
(株)フタバ化学(4)
(株)博多玄海
グループ・サンサックス
ランインターナショナル(株)
ルプラン(株)
(株)トリイヴィラ
奥出雲仁多米(株)

  愛知県名古屋市 (株)フタバ化学(3)

通販事業は仕事の全てを自社で行うことは出来ない業務である。DMひとつ作るにも、企画、デザイン、写真、印刷、加工、封入、発送、等各工程毎に外部の協力会社が必要になる。しかもそれぞれの工程は密接に絡み合い、打ち合わせや調整が不可欠になる。それだけに、経験豊富で実績が有る、優秀な会社といかにスクラムを組むかが大事なポイントである。
今流で言うとアライアンスである。とかくプロ意識の強い人間は、自己主張も強いことが多い。そんなプロの方々に経営思想と戦略を理解してもらい、最高のテクノロジーを発揮してもらうには指揮者が必要になる。業務全体を把握、管理し、プロ同士の調整をとりながら、経営者の望む方向へ導く力量が要求される。時には、経験不足の協力会社を直接指導することもあるので、指揮者にはかなりのノウハウが要求される。
通販事業立ち上げ時には、何処の企業でもそんな指揮者はいないので、当面外部へ委託することが多い。しかし、何時までも外部に委託せず、着々と内部養成をした方が良い。私のこれまでの経験では、社内で指揮者が養成できた企業は間違いなく成功している。一番まずい例は能力のない人に指揮者をさせることである。能力やノウハウを度外視して、肩書きで決めたり、年功序列で決めたり、社長の身内だからという理由で決めると、大抵失敗する。養成には、大体2−3年はかかるし、それなりに勉強、努力が必要なことはいうまでもない。
中小企業の場合は、指揮者候補を決めておき、コンサルタントをコーチにするケースが多い。大企業の場合は複数のコンサルが入ることもある。
志水社長のお話が終わり、(株)リーブルさんのスタッフの紹介も終了した。今度は協力会社の番である。一応各会社毎に自己紹介をすることになった。デザイン担当として(有)デザインオフイス・シック(多田良一代表、電話052−263−8767)の木方真奈美氏、DMの企画、製作は(株)内田紙工業(内田和行社長、電話048−422−4600)の内田和行社長、と代理店である(有)ヨネヤマ(米山利信代表、電話052−263−3735)の米山利信代表、テレマーケッティングの指導は(株)三愛(石川房江社長、電話052−684−0031)の石川房江社長、コンピューターシステムは(株)日本事務サービス(奥泉金三社長、電話03−3668−9850)である。ここで、ようやく協力会社の顔が見えた。つまりは、DM製作と受注体制の部分だけに限定した協力会社である。志水室長の話し通り、広告代理店は居ないし、商品開発関係の会社もいない。明確な経営思想にマッチしたキックオフ布陣である。
各社の自己紹介が終了すると、志水社長が「若松さん、この後はあんたが進行役をやって下さい」とさらりと名指しできた。こんな話一言も聞いてないし、第一協力会社の力量が全く判らない。しかし、「私がやるんですか」と言うのも悔しいので、当たり前のような顔をして進行役をやることにした。
要は、(株)リーブルさんに合った、具体的な実行施策とそのスケジュールを決めることである。そこで各社から、具体的な提案を話してもらうことにした。抽象的なプレゼンをしている段階ではない。何をやるのか、何時までやるのか、費用はおおよそ幾ら掛かるのか、事前準備に何が必要か、担当はだれがやるのか、等である。
当面の活動を列記すると1. コンピューターシステムの導入。2. 顧客リストの整理 3. 顧客への告知準備(DM製作)。3. 受注体制の準備(コミュニケ‐ターの採用、教育とスーパーバイザーの育成)4.物流体制の準備(作業場所の確保、作業人員の確保、宅配会社の選定)。5. 代金回収方法の準備・・等等である。
これらの中で一番準備期間がかかるのはコンピューターシステムである。パッケージソフトを導入したとしても、(株)リーブルさんの業態に合わせるべく一から打ち合わせをしたのでは、約10ヶ月位はかかってしまう。そこでパッケージを買い(株)リーブルさんが自社で徐々にカスタマイズすることになった。これならば6ヶ月で導入出来るので、オンジョブは11月に決定した。
6階の大会議室における話し合いは白熱し、いつしか夜の12時を廻っていた。全ての話し合いが終わり、参加者一同大くたびれである。志水社長から労いの言葉があり、参加者が資料を片ずけていると、「それでは、この準備に掛かる費用について、明日までに見積りをお願いします」ときた。明日と言うのは多分今日の事であろう。さらに「では、これから街へ繰り出して、前祝をやりましょう」である。とてもこの社長には勝てないと、この時つくずく思った。

その後の(株)リーブルさんは予定通りこの年の11月にオンジョブし、第一号のDMを配布した。
業務を開始してすぐに問題が発生した。一つ目は、受注体制である。当初の受注場所は1階の(株)フタバ化学さんの受注場所と同じ場所に設置し、電話機の色を変えた。手の空いてる人が「はい、フタバ化学です」と言って出たり、「はいリーブルです」と言って出たり出来るようにした。会社が違うとはいえ、一心同体である。人員的に効率が良いと考えたからである。
しかし、これが上手く行かなかった。(株)フタバ化学さんでの受注は、顧客は殆ど固定化しているし、発注ロットが大きい、支払い方法も月極めで、商品に対しての質問など殆ど無い。営業マンや代理店が介在しているからである。
一方、(株)リーブルさんの受注は、顧客の氏名、電話番号、郵便番号、住所等の顧客情報を聞き、お届け日や支払方法などの説明が必要である。商品に対する質問も多い。コミュニケーターは、日一日と違う色の電話には腰が引けてくるようになった。要するに、同じ受注でもBtoBとBtoCではコミュニケーションの内容が違うわけである。かくして、この受注人員両用作戦は失敗し、ハッキリと担当を決めて運用することにした。
2つ目は、物流体制である。(株)フタバ化学さんの物流は路線便が主で、量目も大箱単位、パレツト単位と大口である。一方(株)リーブルさんは宅配便で、1ボトルか2ボトルと小口であるし、内に請求書やらパンフやらを同梱しなければならない。一つ一つ配送伝票を張り、梱包の数は(株)フタバ化学さんの何十倍にもなる。これまで手馴れていた仕事とは、別世界の作業になる。しかも、在庫管理も細かくしなければならない。作業員からブーイングが出るのに何日もかからなかつた。
この物流人員両用作戦も失敗し、結局別にアルバイトを採用することになった。
この2つの失敗は、私にとって今でも大きな教訓となっている。それ以来、メーカーが通販事業を立ち上げるときには、事例としてお話することにしている。

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