健康食品通販コンサルティング 健食通販道(6)

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健康食品通販コンサルティング 健食通販道

健食通販道(6)




 前号からの続きで、健食メーカーが通販事業を立ち上げる準備の(6) から記する。

(6) コンピューターシステムの導入:
 通販業務用の専用コンピューターソフトは、わずか10数年前までは、コンピューターメーカーがオーダーメードで開発し、開発費が三千万円〜五千万円位が当たり前の世界で、ハードウエアを含めると五千万円〜1億円が相場であった。
 私が前職時代の平成4年に、日本で初めての本格的パッケージソフト、「通販パッケージソフト」を開発し、販売を始めてからは、ソフトウエアの価格が一気に数百万円台の時代になった。背景には、OS(オペレーティング・システム)がメーカー独自のOSからユニックス、ウインドウズの様な国際的なオープンOSになり、ハードウエアメーカーに依存せずにソフト開発が出来るようになった要因が大きい。
 丁度バブルが崩壊し、物の値段が解らなくなった時期で、「流通革命」「価格破壊」「メーカー直販」等の用語が市場を駆け巡り、多くの企業が通販に参入し始めた頃である。ハードウエア込みのシステム価格が一千万円位で通販専用システムが導入出来るようになり、販売開始から多くの引き合いを頂いた。そして、現在の通販専用システム市場は、パソコンの普及によって六百万円前後にまで安くなり、さらに導入し易くなって来ている。通販専用システムは処理的規模によって二種類の形式がある。

 (1) スタンドアロン形式:
 1台のPCに1〜2台のプリンターを接続したタイプで、1日の処理件数は20〜30件が目安である。1台のPCだから当然1人しか操作出来ない。拡張性は無いが数社から百万円位で販売されていて簡単に導入出来るので、盆暮れだけの通販事業やテスト事業として開始する場合には適当なシステムと言える。

 (2) ラン形式:
 データを格納するサーバーに複数のPCやプリンター、周辺機器が接続出来るタイプで、処理規模に応じて拡張性が高く、データ−を共有しながら並列的に各種の処理が出来る。数社から販売されていて、最小価格は六百万円前後で導入出来る。

 どちらの形式にしても専用ソフトが搭載されていて、導入には2〜3ヶ月程度を要する。
 通常の販売管理ソフトでも顧客登録や、受注入力、配送伝票出力、宛名ラベル出力位は出来るが、通販専用ソフトは販売管理と顧客管理が合体した様なソフトであり、販売管理だけのソフトとは根本的に機能幅が異なる。売掛金の考え方一つ見ても、販売管理は顧客を基にし、一ヶ月分の販売金額を合算して請求するが、通販業務の考え方は、販売毎の都度請求になり、入金がなければ新たな販売をしない様にガードをかけるのが基本である。
 顧客数(取引社数)にしても、販売管理は数十社〜数百社を想定しているが、通販業務では数万人〜数百万人になる為、DB(データ−ベース)の作り方が根本的に違う。
 通販専用ソフトは販売結果を処理するだけでなく、販売分析、顧客分析、媒体分析等により、将来の販売戦略上重要な指針を示すことが出来ると共に、郵便振込み、カード決済やCVS等、通販業務独特の支払い形式にも対応している。通販事業には欠かせられないツールと言える。ポイントは何時の時点で、どの程度のシステムを導入するかであるが、私はアナログ的な判断とデジタル的な判断で決定すれば良いと思っている。
 アナログ的に見ると、導入時期は手作業で出来なくなった時点であり、業務運用がきちんと出来る程度のシステムと言う事になる。
 デジタル的な判断とは、コスト計算から逆算した考え方である。私は通販専用システムの年間経費(導入費用の年間リース料、システムの年間保守料)は、年間販売金額の3%前後と考えている。1%以下では過少投資で、5%を越すと過剰投資と思っている。客単価(受注単価)が5千円と1万円とでは処理件数で倍の差があるので考慮しなければならないが、過少投資状態では、日々の受注処理や発送処理に支障が出るだけでなく、顧客へのサービスも不十分になる。さらに、販売戦略上重要な分析数値が得られず、販売力増大のチャンスを逃しかねない。逆に過剰投資状態では利益面で障害になる。
 私はこれまで数百社のコンピューターシステムを見学し、診断、指導をしてきたが、多くの企業は過少状態か過剰状態であり、最適状態の企業は殆どなかった。アナログ的な判断に比重を置くとコスト意識に欠けることになり、業務改善、工程改善が遅れる。一方デジタル的な判断に比重を置きすぎると、運用面で現実とのギャップが出る。
 一番良い方法は、様々な処理的改善を図り、デジタル的判断に近ずけることである。
 コンピューターシステムの構築経費は、人件費に直結し、運用コストとなるので、「無理」、「無駄」な導入をしてはならない。通販事業を立ち上げる際にはどうしても売上指向に成りやすいが、利益面を考えると、運用経費も重要な要素であり、売れても儲からないような情況は悲劇的である。ここに過少投資の事例を記すので参考にしてもらいたい。

 事例:
 健食通販をゼロ発で開始してから2年が経過した会社の事例であるが、立ち上げ時、某販売管理ソフトを数万円で購入し、1台のPCと1台のプリンターで運用を始めた。事業開始時にはテスト事業の意味合いが強く、通販専用システムの導入は見送ったが、2年を経過した現在は売上が1億円近くになり、テスト事業から本格的事業へと自然と意味合いが変わって来ていた。客単価が約七千円なので、処理件数は年間1万四千件を超し始めた。1日の処理件数は平均五十件、多い日には百件になり、1台のPCと1台のプリンターでは当然処理がしきれない日が多く、必然的に発送が遅れ、これまで当日受注分は当日発送出来ていたのが、2日遅れ、3日遅れになり始めた。
 特に広告を打った直後は処理が混乱しミスが多くなり、顧客からのクレームが増えた。顧客が増えるにつれ、「カードで支払えないのか、お宅はCVSが使えないの?」と言った要望も目に見えて増えてきた。運用要員はミスの後始末や残業に疲れ、広告を打つのを控えるようになった。日々の運用に振り回されてきたため、既存顧客へのDMも出せなくなり、販売分析どころか、結局売上が止まってしまった。
 システム処理能力を改善すべきところを、運用要員は処理能力に合わせて運営してしまったのである。「頑張れば済む」問題と済まない問題とを混同し、抜本的な対応の時期を誤ってしまった。
 私の考えでは、年間1億円の売上であれば、年間3%として、年間三百万円のシステム経費を基準に考える。仮に新規のシステムが一千万円近くしても釣り合う計算だし、せめて2.5%の二百五十万円でも掛けていれば充分なシステムが導入出来、スムースな運用と顧客の要望にも答える事が出来た。月間売上が四百万円位になった段階で、拡張性の高いシステムを最小構成で導入していれば、売上の増大に合わせて周辺機器を増設出来たし、売上をセーブする事も無かったし、大きなビジネスチャンスを逃す事も無かった。しかし、後の祭りである。
 その後システムは再構築されたが、その時には同業他社から多くの類似商品が販売され、苦戦を余儀なくされている。
 ビジネスは「タイミング」と言う人が多いし、「れば」「たら」は禁句であろうが、誠に残念な事例である。

(7) からは、紙面の関係で次号に継載する。
以上


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